日本人の食生活では塩分の摂り過ぎが問題の一つとなっています。塩分を減らすには漬物、練り製品など塩分の多い食品を控えること、汁物を摂る回数を減らすこと、すでに味付けされた料理に調味料をかけないようにすることなど様々な方法がありますが、料理に使用する調味料を減らすことができれば、減塩の効果が大きく期待できます。水を出来るだけ使わずに素材の味を活かす「無水調理」は、塩分を減らすために有効な調理法であるといえます。
モロッコの砂漠地帯が発祥のタジンポットは、温めることで食材から出た水分が蒸発して三角の蓋の上部までのぼり、蒸気が水滴となって鍋に戻り、蒸し煮する状態となることで、材料の水分だけで加熱する無水調理が可能です。この方法だと素材の味が引き出され、調味料をほとんど使わなくてもおいしく作ることができます。
そこで今回は、タジンポットを使った魚料理を紹介します。蓋がしっかりと閉まり、水蒸気を逃さないもの、全体に熱が均等に伝わり保温性に優れたものであれば他の鍋でも代用可能です。
いわしと野菜の蒸し煮
○材料(2人分)
いわし 3枚おろしにしたもの4枚(60g)
玉ねぎ 1/3個(80g)
もやし 1/5袋(40g)
ピーマン 2個(40g)
人参 1/5本(20g)
まいたけ 1/5パック(20g)
料理酒 小さじ1(6g)
○作り方
1.玉ねぎは薄切りに、ピーマンと人参は千切りに、まいたけは適当な大きさにさいておく
2.鍋に材料をのせていき、一番上にいわしを並べて酒をかける
3.極弱火で30~40分程度加熱する(野菜から水分が出る前に火を少しでも強くすると焦げるので注意してください)
○食べ方
調味料を一切加えずに食べてみてください。味が薄いと感じる場合はいわしと一緒に野菜を食べてください。それでも薄いと感じる場合はポン酢醤油もしくは醤油などを出来るだけ少なく加えて食べてみてください。