薄味から始める健康なからだづくり
1.薄味の基準はどれくらい?
「薄味を心がけましょう!」とのキャッチフレーズがありますが、具体的にどの程度にすればよいのか解りにくいのではないでしょうか。
私たちの体液中の塩分濃度は0.85%です。そのため、一般的においしいと感じる食塩濃度は0.8~1%であると言われています。
しかし、この味覚を判断するためには0.6%の塩分を識別できなければならないと言われており、家庭塩分測定器もメーカーにより多少の違いはありますが0.6%は薄味に分類されています。そこで私は0.6%の食塩濃度を薄味と判断しています。
2.0.6%の薄味を体験してみましょう
例えばインスタント練りみそ汁(みそ12g)の場合、食塩が2g含まれており、これを150mlのお湯に溶かすと食塩濃度は2÷162(みそ12g+お湯150ml)×100=1.2%になります。
よって、お湯を2倍にすることで0.6%の食塩濃度になりますので、塩分測定器がなくても0.6%の食塩濃度を体験することができます。
では、この計算方法でカップラーメンではどうなるか確認してみましょう。A社のカップにはお湯480mlに粉末スープ(含まれる食塩は11.9g)を溶かすと記載されています。
その結果、食塩濃度は2.5%となり、これを0.6%にするためにはなんと1,983ml約2Lのお湯が必要となります。
まずはこれらの味を体験し、今の自分の味覚がどのレベルにあるかを知ることです。
3.薄味にすると分かること
0.6%の食塩濃度を習慣化できれば、体調によって味つけが濃くなっていることや亜鉛不足による味覚障害など自分の味覚異変にも気がつきやすくなります。
更には、食材本来の味がよくわかります。例えば、ほうれん草でも春は少しほろ苦く、冬は甘いなど季節によって異なる味があること、魚介でもえび、かにの甘さなど食材のもつおいしい味を知ることができます。
4.薄味から始める健康なからだづくり
1日の食塩摂取目標量は男性7.5g、女性6.5gです。この量はエネルギー摂取量が1600kcalの人も2000kcalの人も同じです。食事摂取量が増加すれば当然、食塩量も増加しますが、エネルギー量増加に対する食塩量の増加は示されていません。
だからこそ、全てを薄味で食べること、薄味が美味しいと感じる味覚を身につけることをお勧めします。
薄味の食事をおいしくいただくためには、一口サイズを小さくして、良く噛んで素材の味を味わい、感謝していただくことに尽きます。ゆっくり時間をかけて少しずつ薄味に慣れ、薄味をベースにした食事が健康なからだづくりの基本であると信じております。